糖尿病<病気の症状編>

からだ
糖尿病

前回に引き続き、糖尿病<病気の症状編>をお届けします。

なぜ糖尿病がこわいの?

高血糖の症状

血糖値の高い状態が続くと、身体は尿を大量に出して糖を体外に出そうとするため、喉が渇き大量の水分を取るようになります。
また、糖がエネルギーとして使われなくなるため、疲れやすく、たくさん食べても空腹感があったり、体重が減りやすくもなります。
しかし、これらの症状は単なる体調不良と見過ごされることが多いため、糖尿病の発見や治療が遅れる原因となっています。

本当に怖いのは合併症

高血糖が持続すると血液がドロドロになり、全身の血管や神経が侵されて、様々な合併症が起こります。
その中でも、糖尿病網膜症・糖尿病腎症・糖尿病神経障害は糖尿病の『三大合併症』といわれ血糖コントロールをしなければ5~10年で発症するとされています。

3大合併症

その他の「合併症」

糖尿病が進むと・・・
・動脈硬化が進んで心筋梗塞や狭心症、脳梗塞などのリスクが高まる
・免疫力が低下して感染症にかかりやすくなる
・湿疹や皮膚の傷が治りにくくなり、悪化すると壊疽(えそ)を起こす
・不眠、うつなどの症状もみられるようになります。

歴史上のあの人物も糖尿病だった

藤原道長

糖尿病の最古の記録は、「大量の尿を出す病気」という記述がある古代エジブト(BC1500年頃)のパピルス文書だとされています。
日本では、平安時代の貴族・藤原道長が糖尿病であったとみられています。 晩年の道長の様子を記した「小右記」という書物に「のどが渇いて水を大量に飲む」「痩せて体力が無くなった」「背中に腫れ物ができた」「目が見えなくなった」等の記述が残っていて、道長が糖尿病の合併症で亡くなったことがうかがえます。
平安時代、糖尿病は「飲水病」と呼ばれていました。当時の貴族はこの病気にかかる者が少なくなかったようで、「飽食の時代」である現代と重なるものがあります。



次回は、糖尿病とつきあうヒントを中心にご紹介していきます



<参考図書・資料>
・「糖尿病のすべてが分かる本」/ 矢沢サイエンスオフィス編(学習研究社)
・糖尿病ホームページ / 厚生労働省生活習慣病対策室