干しシイタケ<種類と歴史編>

たべもの
干しシイタケ

干しシイタケは、生シイタケを天日または火力、電気などの機械で乾燥させたもので、乾物として扱われます。生シイタケは、乾燥することで栄養成分がギュっと濃縮され栄養価が高くなるだけでなく、保存性も高まります。

干しシイタケの種類

冬茹(どんこ)

春先の気温の低い時期にゆっくり生長したもの。 かさは肉厚で丸型。つぼみの状態。花どんこ 寒さと乾燥により、かさの表面が花のようにひび割れているもの。最高級品のどんことされている。だしがたっぷり出るので煮込み、すまし汁や肉厚の食感は中華料理に最適。

香信(こうしん)

気温・湿度が高い時期に、短期間で生長したもの。かさは大きく、薄い。ひらきの状態。他の食材と味を引き立てあうので、ちらし寿司や炒め物に最適。

香茹(こうこ)

冬茹と香信の中間。かさが大きく、肉厚。両方の利点を兼ねそろえているので重宝される。和食から中華まですべての料理に適している。

香りと旨さの秘訣は乾燥にあり!

干しシイタケ

干しシイタケが、生シイタケより香り・旨みが強いのは、熱と酵素の働きにより、乾燥過程で旨み成分(グアニル酸)と香り成分(レンチオニン)が増えるためです。

グアニル酸

アミノ酸の一種。干しシイタケに含まれるグアニル酸は、なんと生シイタケの約10倍です。血液中の血小板がくっつく事(凝集)を抑えて血液をサラサラにする効果が期待されます。

レンチオニン

強い香りの成分で、たった100万分の1gでも料理の香りを高めてくれる。生椎茸にはあまり含まれていませんが、乾燥過程や水戻しの際に作られると言われています。

干しシイタケの歴史

鎌倉時代初頭には、日本の干しシイタケが中国に渡り、だしを取るのに使われていたそうです。曹洞宗の道元は『典座教訓』の中で、中国へ留学した際に干しシイタケを買いに来た老人のことを書いています。本格的に広がったのは江戸時代。その当時の料理書には、干しシイタケをだしや煮付けに使ったりと、現代と同じような使い方をしていたようです。


次回は、干しシイタケ<効果と保存編>をお届けします。