知らない間にカビが発生していた、という経験がある方も多いのではないでしょうか。カビは一年中浮遊していますが、特に梅雨の時期に発生しやすくなります。これから増える「カビ」の対策をしっかりと準備しましょう!
「カビ」について前編、後編にわけてご紹介します。
カビの発生に必要な条件
カビが発生するには、5つの条件が必要です。
1.栄養
カビはなんでも大好物。金属を分解して栄養にすることもできるので、食品、畳、布、ガラス、コンクリートなどほとんどを栄養にしています。
2.空気(酸素)
ほんの少量の酸素があればカビは生きていけます。つまり地球上のほぼどこででも生育することができるのです。
3.温度
ほとんどのカビが、0~40℃で生息します。 20℃を超えると急に元気になり、28℃では繁殖が一番盛んになります(低温・高温を好むカビもいます)。
4.湿度
大部分のカビはジメジメした場所が大好き。湿度が60%を超えるとカビが発生しやすくなり、80%を超えるとあっという間に増殖します。
5.時間
繁殖には、24~48時間かかります。
カビはどこにでも発生します
梅雨の恐るべき敵、「カビ」。あなたの家の中で、どれだけカビが発生しやすいか、下記のイラストからチェックをしてみましょう。特にカビが好むのは、「汚れている」「水気が多い」「日当たりの悪い」場所です。
変色や汚れに見えても、実はこんなカビかもしれません。
カビの種類
「クロドスポリウム(クロカビ)」
黒い点々で発生する。増えるとなかなか落ちず、とても厄介で部屋や衣服、水周りなど至る所で発見される。高温・低温・乾燥にも強く、アレルギー疾患の原因にもなる。
「ペニシリウム(アオカビ)」
地球上のあらゆる場所に棲息し、色も白、グレー、ピンク、黄緑、緑、青と菌種よって異なる。抗生物質と呼ばれるペニシリンを作り出すカビ菌として有名。しかし、中には有害になるアオカビもいて、肝臓ガン・腎臓ガン・肝硬変などを起こすこともある。
「アスペルギルス(コウジカビ)」
自然界に広く分布し、色は白、黒、黄などがある。古くから醸造に利用されるほか、医薬品などの製造にも使われている。しかし、アフラトキシンという肺ガンを引き起こすカビ毒を産生する菌もおり、健康被害の面から警戒しなければならないカビ菌である。
「アルテルナリア(ススカビ)」
色は黒色で、建物の塗装面やビニールクロスからよく発見される。またプラスティックを好物とし、エアコン内部や湿気の多い浴室、椅子の裏側、シャワーカーテンによく発生する。
後編では、カビが及ぼす健康被害、対策方法などをご紹介します。