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糖尿病は「国民病」といわれるほど実は身近な病気です。正しい知識を身に付けて予防や改善に役立てましょう。

糖尿病ってどんな病気?

糖尿病とは、インスリンが十分に機能せず、血液中のブドウ糖が増えて血糖値が上がることにより、全身に様々な障害が起こる病気の事です。
まず始めに、身体が糖を利用するしくみについて見てみましょう。

ブドウ糖は身体のガソリン

私たちは生命を維持するために、色々な食物から栄養を取り入れています。
特に、炭水化物・タンパク質・脂質は3大栄養素といわれ重要な働きがあります。
中でも、米・パン・芋・果物などに多く含まれる炭水化物は、消化されてブドウ糖となり、血液の流れに乗って全身に運ばれ細胞のエネルギーとして使われます。
この血液に溶けたブドウ糖の濃度を『血糖値』といいます。

ブドウ糖と脳

血糖値は高すぎても低すぎても身体に支障が出ます
●高血糖(空腹時血糖値 126mg/dl以上が継続)
 糖尿病の各症状

●低血糖(血糖値  70mg/dlを下回る)
 倦怠感、動悸、ふるえ、意識障害など

血糖利用にはインスリンが必要

インスリン働き

血糖値は膵臓から分泌される『インスリン』というホルモンによってほぼ一定の範囲にコントロールされています。
インスリンは身体の中で唯一糖を下げるホルモンで、各細胞に糖を取り込むよう指令を出す一方、肝臓に働きかけ糖をグリコーゲン※という物質に変えて貯蔵させるなど、血糖値を調整します。

※グリコーゲン:貯蔵されている糖のこと。肝臓や筋肉に蓄えられ、必要に応じてブドウ糖に分解されエネルギー源となる。

インスリンダイエットって?

数年前、巷を賑わせた「インスリンダイエット」は、インスリンの分泌量が少なければ脂肪ができにくいという理論を応用したものです。
インスリンには余分な糖を脂肪細胞に蓄えるという働きがあるため、炭水化物の摂取量を減らしたり、炭水化物の中でも血糖値の上がりにくい全粒穀物や豆類などの食品を食べることが提唱されました。

糖尿病はインスリンの作用不足で起こる

血糖を調整するインスリンが十分に分泌されなかったり、うまく作用しないと、ブドウ糖が細胞の中に取り込まれずに血液中にあふれ出して高血糖の状態になります。
そして、この症状が進むと糖が尿に漏れ出すようになります。「糖尿病」という名前はここからきています。
糖尿病になると血液中にはたくさんの栄養(糖)があるにもかかわらず、細胞は糖をエネルギーとして利用できず栄養不足に陥ります。
すると、身体の各機能が正常に働かなくなり、血管や神経などで「合併症」と呼ばれる特有の病気がおこります。

糖尿病の種類

糖尿病は発症の原因やメカニズムによって、大きく4つのタイプに分けられます。

1型糖尿病(インスリン依存型)

インスリンを作る膵臓のβ細胞が、自己免疫やウイルス感染などにより破壊されて発症する自己免疫疾患の1つで、インスリン分泌が低下、又は枯渇します。若年層に多く、痩せ型もしくは標準体重の人が多いです。病気の進行が急速で、インスリンの治療が必要となります。

2型糖尿病(インスリン非依存型)

遺伝的要因に生活習慣が加わって発症し、インスリンの分泌量が低下、又はインスリンがうまく作用しなくなります。中年以降に多く、肥満を伴う人が多いです。
自覚症状に乏しく、ゆっくり進行しますが、食事、運動、薬物によりコントロールが可能とされています。

妊娠糖尿病

妊娠により、インスリンの作用が抑えられたり、栄養過多により発症します。通常、妊娠後に良くなりますが、将来糖尿病になる可能性が高くなります。

その他糖尿病

遺伝子の異常、肝臓や膵臓などの疾患、感染症、免疫異常、薬剤などで発症します。
原因が解消されれば糖尿病も改善します。

インスリン低下

日本では、約9割が2型糖尿病で、糖尿病になりやすい体質と、肥満・過食・運動不足・ストレスなどインスリンの働きを悪くするような生活習慣が重なって発症するとされています。



人類と糖尿病のつきあいは大変長いのですね。
次回も引き続き、糖尿病がなぜ怖いのかについてお届けします。


<参考図書・資料>
・「糖尿病のすべてが分かる本」/ 矢沢サイエンスオフィス編(学習研究社)
・糖尿病ホームページ / 厚生労働省生活習慣病対策室