呼吸だけでなく、体温調節や⽪膚の状態、免疫⼒にも深く関係している「肺」。 寒い日、冷たい空気を吸い込んだ時に肺が痛くなったりしたことはありませんか?実は肺は冷たい空気や乾燥に弱い臓器といわれています。肺を取り巻く筋肉や粘膜を鍛えて病気になりにくい身体作りを目指しましょう。
冷たい空気でなぜ痛い?
冷たい空気を吸うと外気との体の温度差で、肺とその周りの筋肉が急激に冷えて収縮します。その際に痛みがでると言われています。鼻呼吸の場合は吸い込んだ空気に適度な湿度、温度を与えてくれるのですが、口呼吸の場合は湿度、温度調整が難しいので肺に痛みが出やすくなります。喘息の方や気管支が弱い方にとっては、冷たい空気は大敵です。
肺は何をするところ?
肺は心臓をはさんで左右に2つあり、肋骨(ろっこつ)と横隔膜に囲まれた臓器です。呼吸によって取り込まれた酸素は、気管支を通って肺の一番奥にある「肺胞」とよばれる“ぶどうの房”のような小さな組織へと送りこまれ、不要になった二酸化炭素と交換されます(ガス交換)。
肺は臓器の奥まで空気を取り込むため、常に大気中の有毒ガスや塵ちり・病原菌などの危険にさらされています。このため口・鼻、のど、気管、肺に至る呼吸器系には様々な防衛機能がはりめぐらされているのです。
口から肺までの防御機能
粘膜
肺表面の粘膜には線毛(せんもう)が生えていて捕らえた異物を、活発な動きで身体の外へ運び出しています。この働きを線毛運動といいます。
血液
肺の中の血液中のマクロファージ(免疫細胞)が異物を食べる。
咳・くしゃみ
異物が鼻の粘膜に付着したらくしゃみや鼻水として、喉や気管に付着したら咳として外に排出される。
しかし、いつも全てのしくみがうまく働く訳ではありません。これらの防壁が突破されると喘息や肺炎、肺がん、風邪などをはじめとする肺に関連する様々な病気が起こります。