糖尿病

今回は、糖尿病とつきあうヒントを中心にご紹介していきます。

対策1 定期健診を受けよう

早期発見がカギ

糖尿病の初期は自覚症状に乏しいため、定期健診などで早期発見に努めることが合併症を防ぐ近道です

医者

<糖尿病の判定基準>
●空腹時血糖値

・⼀般的に朝食前の空腹時に測定
・正常型 110mg/dl未満
・糖尿病型 126mg/dl以上

●随時血糖値
・特に食事からの時間を決めずに測定
・正常型 –
・糖尿病型 200mg/dl以上

●ブドウ糖負荷後2時間値
・空腹時に75gのブドウ糖を飲み、時間を追って血糖値やインスリン値を測定
・正常型 140mg/dl未満
・糖尿病型 200mg/dl以上

●HbA1c(%)ヘモグロビンエーワンシー
・随時測定可能
・正常型 –
・糖尿病型 6.5%以上


地域や職場などの健康診断では空腹時血糖値を測るのが一般的ですが、血糖値(GLU)は食事の影響を受けて変動するため、複数の項目を組み合わせて診断や判定を行うこともあります。

血糖管理の指標‐HbA1c (ヘモグロビンエーワンシー)

血糖値と併せて、糖尿病の検査でよく用いられるのがHbA1c(ヘモグロビンA1c)です。

ヘモグロビンA1c

赤血球に含まれるヘモグロビンにブドウ糖が結合したもので、血糖が高いほどHbA1cも増えるのが特徴です。
過去1~2ヵ月の平均的な血糖の状態を反映していて、食事の影響を受けないため、最近では血糖コントロールの指標として特に重要視されています。
検査前に慌てて食事を控えて血糖値を下げたとしても、HbA1cを見れば日頃の自己管理の様子がすぐ分かります。
※併せて、糖尿病の影響が現れる血圧や腎機能、コレステロール、中性脂肪、尿検査などの項目にも注意しましょう。

対策2 他の生活習慣病にも注意しよう

肥満が病気を呼ぶ?!

2型糖尿病では、インスリンの分泌量には問題がないのに、血糖を下げる働きが低下してしまう「インスリン抵抗性」が多く認められ、肥満が深く関わっているとされています。
肥満によって蓄積された内臓脂肪からは、アディポカインというインスリンの作用を邪魔する物質が出ています。この状態が持続すると、血糖値だけでなく、高血圧症や脂質代謝異常など動脈硬化の原因となる要素が集まりやすいことが知られています。(※メタボリックシンドローム)

メタボリック

※メタボリックシンドロームとは 日本では、腹囲(おへその高さ)が基準値以上で、かつ血糖・血圧・脂質のうちいずれか2つ以上が基準値から外れるとメタボリックシンドロームと診断されます。メタボリックシンドロームの方は、心臓病や脳血管疾患など命にかかわる病気の危険性が急激に高まるとされています。

対策3 自己管理に努めよう

食生活を見直そう

腹八分を基本に、栄養バランスのとれた食事を3食きちんと摂るよう心掛けましょう。

3食食事

過食を避ける工夫を
①食前に牛乳を飲む
 食事の前に牛乳を1杯飲むだけでカロリー摂取を抑え、体の代謝が上がります。さらに、満腹感が得られるので、自然に食事量を減らすことができます。

②よく噛んで食べる
時間をかけてよく噛むことで脳の満腹中枢が刺激され、満足感を得やすくなるため、食欲が抑えられます。


バナナの効用

バナナ

ダイエットに最適!とバナナダイエットが流行した時期もありました。
血糖降下作用のある食品としておすすめなのがバナナです。
バナナに含まれる糖は体内への吸収に時間がかかるので、血糖値の上昇が緩やかになります。また、インスリンに作用するカリウムやマグネシウム、クロムなどのミネラルが含まれる他、糖質の吸収を遅らせる食物繊維も豊富です。 カリウムは血糖値を下げる作用があります。
糖尿病にバナナ!?と思われるかも知れませんが、バナナは免疫力を高め、血圧を下げ、血糖のコントロールに役立つ食材であることが言えます。
ただし、糖分が多いので食べ過ぎには注意が必要です!!1日1本程度を目安に食用しましょう。

運動を習慣づけよう

運動をすると、ブドウ糖が筋肉に取り込まれて血糖値を下げるとともに、糖尿病を悪化させる肥満の防止やストレス解消にもなります。
ウォーキングや臍下丹田呼吸法(せいかたんでんこきゅうほう)など、時間や場所の制約を受けずに行える簡単な方法を工夫して、継続することが大切です。

ウォーキング

ストレス対策は呼吸法で

血糖値の上昇を招く原因として、ストレスや酸素欠乏が挙げられます。
弊社ではその解消に、臍下丹田呼吸法(せいかたんでんこきゅうほう)をおすすめしています。疲れを感じたら、たっぷり睡眠をとって脳や身体を休めるとともに、呼吸法で十分な酸素を取り入れるようにしましょう。

臍下丹田呼吸法の効用

ヨガ呼吸法

①脳への酸素補給
酸素不足により脳の正常な動き(処理能力)が低下すると、免疫力や自律神経、さらにはインスリンを含む様々なホルモンの分泌にも影響が出ます。
呼吸法により、身体の司令塔である脳に必要十分な酸素を送りこむことで、これらを正しく働かせることができるといわれています。
②脂肪燃焼
呼吸法は、代謝を上げて体脂肪を増やす有酸素運動でもあります。
肥満が大敵の糖尿病にはまさにぴったりです。


慣れ親しんだ生活習慣を変えることは簡単ではありませんが、「自分の健康は自分で守る」という積極的で前向きな思考で取り組んでみませんか?