前回に引き続き、便秘についてお届けします。
なぜ便秘になると肌が荒れるの?
便秘になると顔にぶつぶつができたり、ニキビが増えるなど、肌が荒れて困っている人も多いのではないでしょうか?なぜ便秘になると肌まで調子が悪くなってしまうのでしょう?
『便秘と肌荒れの関係』
私たちの体は、いらなくなった老廃物を便や尿として排泄していますが、実は皮膚にも同じような働きがあります。血液中の老廃物を、汗や皮脂として体外へ放出しているのです。便秘になると、老廃物が体内に溜まってしまいます。その結果、発生した毒素が腸から吸収され、血液中に増えると、それを処理するお肌にも負担がかかってしまいます。そのため、「便秘→肌荒れ」という関係になるのです。あなたの肌荒れの原因も、実は便秘からきているのかもしれません。きれいなお肌は、健康な腸を作ることから始まります。
あなたの便秘はどのタイプ?
最も多いタイプの便秘で、生活習慣やストレス、 加齢などが原因で起こります。 さらに機能性便秘には①弛緩性便秘、②けいれん性便秘、③直腸性便秘があります。
機能性便秘
①弛緩(しかん)性便秘
・便の特徴:硬い便
・原因:大腸や下腹部の筋肉がゆるみ、便を押し出す力が弱くなったために起こる。
・なりやすい人:運動不足の人や、高齢者など。※もっとも多いタイプ
②けいれん性便秘
・便の特徴:うさぎのフンのような小さく固い便
・原因:自律神経の乱れで腸が極度に緊張し、けいれんを起こして便が通りにくくなる。強い腹痛がある。
・なりやすい人:ストレスの多い人
③直腸性便秘
・便の特徴:太くて固い便 ・原因:排便をガマンするうちに便意を感じにくくなったり、下剤を多用することで、本来持っている「便を出す力」が弱くなってしまう。
・なりやすい人:排便をガマンしたり、下剤を多用する人
器質性便秘
腸の物理的(器質的)な状態によって、便が通過する際に障害が起こる便秘症です。
大腸がんや手術後の腸管癒着、炎症性腸疾患などの原因が挙げられます。また女性で直腸が膣から脱出してしまう直腸瘤も原因となります。このタイプは、まず原因となっている病気を治すことが重要です
症候性便秘
全身疾患に伴うホルモンや神経系の異常により腸管のぜん動運動が弱くなるため、便秘になります。糖尿病や甲状腺疾患、パーキンソン病、自律神経疾患、膠原病などの全身疾患が挙げられます。
薬剤性便秘
名前の通り、薬剤による副作用でおこる便秘のことです。抗うつ薬、抗コリン薬(ぜん息や前立腺肥大、パーキンソン病などに用いられる薬)、咳止めなどの薬は大腸のぜん動運動を抑制するため、副作用で便秘になることがあります。
さあ、あなたはどのタイプに当てはまりましたか?便秘を正しく解消するためには、自分のタイプを知ることが大切です。
「便秘」は病気の注意信号と心得よう!
便秘を甘くみていると、もっとひどい病気になってしまうかもしれません。次回「便秘・後編」では、それぞれのタイプの注意点なども交えながら便秘を上手に解消する方法をご紹介します。これを見ればお肌も若返るかも?!
参考図書:健康の地図帳(講談社)
からだの地図帳(講談社)