「階段の上り下りが辛い」・「季節の変わり目は節々の調子が良くない」など、関節の痛みに心あたりはありませんか?
今回は主に加齢に伴って発症する変形性関節症(へんけいせいかんせつしょう)をご紹介します。
主な関節痛とその原因
一口に関節の痛みといっても、様々な原因があります。
外傷(ケガ)
スポーツなどの怪我が原因で軟骨の半月板などが傷つき、膝に痛みが起こる。
自己免疫疾患(リウマチ)
免疫反応の異常によると考えられており、自分自身の組織へ攻撃することによって関節に炎症が起きる。
感染症
細菌などが関節に入り、炎症を引き起こす。
痛風
尿酸という代謝物が原因で、前触れもなく突然、足の親指の関節などに炎症を起こし、激痛をもたらす病気のこと。
変形性関節症とは
変形性関節症の多くは、加齢による筋肉量の低下や肥満・無理な動作などが関節への負担となり、骨と骨が直接ぶつからないようクッションの役割を果たす関節軟骨がすり減っていくことが原因とされています。
男性より女性に多く、50代以降に発症し始め高齢者になるほど罹患率は高くなります。体重の負担が直接かかる膝関節に多く見られることが特徴です。また、何年にもわたって除々に進行していきます。
痛みの原因は炎症
関節全体は、関節包という袋に包まれていて、その内側にある滑膜が滑液(関節液とも呼ばれる)を分泌し、関節の動きをスムーズにして、軟骨に栄養を与えています。
軟骨がすりへると、遊離した軟骨細胞のかけらが関節包の中に飛び散って滑膜を刺激し、炎症(痛み)を引き起こします。
<抜くとクセになる水!?>
ひざ関節に炎症が起きると、滑膜から滑液(関節液)が大量に分泌されてひざに溜まります。
この「水が溜まる」状態のことを「関節水腫」といい、ひざの曲げ伸ばしが不自由になり、痛みが出ることがあります。
水を抜いてもひざの炎症が治まっていなければ、水は何度でも溜まります。
そのため「クセになる」と言われているようです。改善するためには、根本の原因である炎症を鎮めることが肝心です。